RVZ01-Eレビュー

SilverStoneのMini-ITX対応PCケース、RAVENシリーズの初代ケースをリメイクした製品です。

概要

RAVENシリーズはMini-ITXでフルサイズのグラフィックボードを載せようと思ったときに、キューブ型やタワーを除外するとほぼ唯一となる選択肢です。と言うのもMini-ITX規格はM/Bが17cm x 17cmで、グラフィックボードはフルサイズは最長33cmとほぼ2倍の大きさです。大体、Mini-ITX対応HTPCケースはM/Bより一回り大きい20cm四方サイズであり、そこにはどう考えても30cmのカードは入りません…

なんとか入ったとしても、今度はボードの幅は約14cmほど。しかも、M/Bに垂直にそそり立たざるをえない。この時点で33 x 14cmの箱が最低限必要で、そこに電源ユニットを組み込み、とやると微妙な大きさのキューブ型ケースのできあがり。せっかくのMini-ITXなのに机の上に置くのに35x35x35みたいなケースでは大きすぎるんですよ。しかも、もう少し頑張れば普通のM/Bが載るケースになってしまう。そこで、PCIeのライザーカードで14cmの壁を取り除き、いわゆるデスクトップ型にしてなんとか形にしています。

インプレッション

最初に述べたように、RAVENシリーズ初代ケースのRVZ01のリメイクケースとなります。最も大きな変更点は、電源ユニットのATX電源対応化。ただし、こいつがクソなので後述します。それに伴い、フロントパネルボタン類のスイッチ基板スペースがなくなり、フロントパネルのコネクタ・スイッチ類の移動が起きています。追いやられるように光学デバイスの置き場所が無くなり、取り除かれています。なお、公式サイトをよく見ると判りますが、RVZ01-EとRVZ03は中身の構造・サイズが全く一緒です。なので、気になる人はRVZ03のレビューも探してみると参考になるでしょう。

さて、電源ユニットのATX対応がクソだ、と述べました。どの辺がクソかというと、基本設計を変えたわけでは無く、元々SFX電源対応だった場所にアダプタを加えてつけられるようにしているだけです。しかし、このアダプタがクソで、大抵のATX電源ではコンセントの外枠と接触してアダプタがしっかりと装着できません。更に、ATX電源では電源に主電源スイッチがついていますが、コレが操作できなくなります。完全にケース内に電源ユニットが収まってしまいます。SFX電源は主電源スイッチがないので良いでしょうが、この辺の設計すら見直し無しかよ。この時点で、ATX電源を使うことに抵抗が芽生えてきます。

それでも、ケースと一緒に買っちゃったしなとATX電源を組み込むと、次に待っている地獄は電源と中央の仕切りの距離が近すぎて、ケーブルの取り回しが困難であると言う事実に直面します。ケースの説明では「奥行き15cmまで入るが、ケーブルの取り回しを考えて14cmまでにして下さい」と言う趣旨が書いてあるが、「15cmまで入る」の意味は「物理的に仕切り板までの距離が15cmである」と言う事。つまり、14cmを選んだところで仕切りまでの距離が1cmしかない。これは、ケーブルの取り回しは無理やろ…

もう素直にSFX電源を買って下さい。SFXなら奥行き10~13cmだし、ケースのアダプタが上手くつかないから奥行き+2mmみたいな事にはなりません。ま、結局、RVZ01-EではなくRVZ01の方が良かったんではないかという疑惑は残りますけど。RVZ03の人は諦めて下さい。

そして、ケース内の冷却面では、ライザーカードと仕切り板が相まって2
chamber 構造になっています。CPU側はCPUの真上にあるファン装着のパンチ穴と電源ユニットのファンで換気、グラボ側はグラボのファンの真上に12cmファンx2サイズのパンチ穴で換気、と分離されています。グラボ側に水冷のラジエーターを載っけて冷やすことは可能ですが、その場合、2スロットぴったりのグラボの場合は残りスペースは3cmです。多分、そんな要求を満たすラジエーター+ファンはありません。

まとめ

結論としては、「SFX電源を買うように。そして、本格的冷却は諦めろ。それはキューブ型でやれ」という事でしょうか。

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